はじめに
Windows 11環境で「pgAdmin 4が起動しない」不具合について、その現象の具体例と、原因・対策を紹介します。
動作環境
- Windows 11 Pro 24H2
- PostgreSQL 17.6
- pgAdmin 4 :Ver. 9.6 Python Ver. 3.13.6
第1位 「The pgAdmin 4 server could not be contacted」エラー
pgAdmin 4 起動時の現象
起動時にブラウザが開くが、上記エラー「The pgAdmin 4 server could not be contacted」が表示されて操作不能となる
原因
セッションファイルの破損、または前回の異常終了
対策
以下のようにRoamingフォルダ内の「pgAdmin」フォルダを削除する
Remove-Item "$env:APPDATA\pgAdmin" -Recurse -Force
又は、手動で削除
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\pgAdmin
再起動後、正常に起動するかどうかを確認する。
第2位 PostgreSQLサービスが停止している
pgAdmin 4 起動時の現象
pgAdminは起動するが、データベースに接続できない
原因
PostgreSQLサービスに異常があるため、pgAdminがサービスに接続できない。
対策
PostgreSQLサービスの存在とその状態(起動中か停止中)を確認する
確認方法(例)
# PostgreSQLサービスの存在と状態を確認
Get-Service | Where-Object { $_.Name -like "postgresql*" }
出力例
- サービスは存在しているが、起動していない場合
Status Name DisplayName
------ ---- -----------
Stopped postgresql-x64-17 PostgreSQL 17
サービスが存在しない場合は、何も表示されません。
サービスが起動していない場合
サービスを起動する。
起動例:サービス名はPostgreSQLのバージョンによって異なるので注意
Start-Service -Name "postgresql-x64-17"
PostgreSQLが未インストールの場合
下記のコマンドでインストールするか、公式ダウンロードサイトからインストーラーをダウンロードしてインストールする。
New-Service -Name "postgresql-x64-17" -BinaryPathName "C:\Program Files\PostgreSQL\bin\pg_ctl.exe runservice" -DisplayName "PostgreSQL 17" -StartupType Automatic
サービス登録が失敗している場合
以下のようにサービスを登録する(パスは環境に応じて調整)
New-Service -Name "postgresql-x64-17" -BinaryPathName "C:\Program Files\PostgreSQL\bin\pg_ctl.exe runservice" -DisplayName "PostgreSQL 17" -StartupType Automatic
第3位 プロキシ設定がlocalost通信を妨害している
pgAdmin 4 起動時の現象
- ブラウザは開くが「The pgAdmin 4 server could not be contacted」と表示される
- 真っ白な画面のまま何も表示されない
原因
Windowsのプロキシ設定がlocalhost通信を外部に転送しようとして失敗する。
pgAdmin 4は、起動時にローカルHTTPサーバー(通常 http://127.0.0.1:5050)を立ち上げてUIを表示します。
しかし、Windowsのプロキシ設定が有効になっていると、localhostへの通信がプロキシ経由になり、pgAdminのローカルサーバーに接続できなくなることがあります。
- この問題が起こり易い環境
- VPN接続中
- 企業ネットワークでグローバルプロキシが強制されている
- Windowsの「自動プロキシ検出」が有効になっている
対策
localhost通信をプロキシから除外する
- 環境変数
NO_PROXYを設定する(推奨)
pgAdminの起動時にこの環境変数が設定されていれば、localhost通信がプロキシを経由せず直接処理されます。
PowerShellで設定(ユーザー環境変数:pgAdmin 4 再起動必要)
[System.Environment]::SetEnvironmentVariable("NO_PROXY", "127.0.0.1,localhost", "User")
コマンドプロンプトで設定(永続化::pgAdmin 4 再起動必要)
setx NO_PROXY "127.0.0.1,localhost"
第4位 管理者権限で起動していない
pgAdmin 4 起動時の現象
起動はするが、設定変更や接続が反映されない。
原因
pgAdminは一部の操作に管理者権限が必要。
対策
ショートカットを右クリック → 「管理者として実行」。
- 常に管理者として実行する方法
- ショートカットの「プロパティ」
- 「互換性」タブ
- 「管理者としてこのプログラムを実行」にチェック

第5位 pgAdminのバージョンが古い
pgAdmin 4 起動時の現象
Windows 11で起動しない、またはUIが崩れる。
原因
古いバージョンでは互換性に問題がある。
対策
最新版のpgAdmin 4をインストールする。
winget install --id=pgAdmin.pgAdmin4
コマンドの実行で「入力条件に一致するパッケージが見つかりませんでした」が表示される場合
- 原因1
リポジトリが不足している
リポジトリの確認とリセット。Powershellで以下のコマンドを実行
winget source list
winget と msstore の両方が表示されない場合は、以下のコマンドでリセットし、再度「winget source list」コマンドで確認。
winget source reset --force
筆者の場合は、「winget と msstore 」の両方が入ってました。

- 原因2
IDが誤っているか登録されていない。pgAdmin.pgAdmin4というIDが現在のwingetリポジトリに存在しない可能性があるので、正しいIDを以下のコマンドで検索します。
winget search pgAdmin
筆者の環境では、正しいIDは「PostgreSQL.pgAdmin」でした。

正しいIDが分かったので、以下のコマンドでインストールします。
winget install --id=PostgreSQL.pgAdmin

インストール中は、下記のプログレスバーが表示されます。

まとめ
pgAdmin 4の起動トラブルは「環境ファイル」「サービス」「権限」「プロキシ設定」等、多岐にわたります。特にプロキシがlocalhost通信を妨害するケースでは、環境変数 NO_PROXY の設定やWindowsのプロキシ除外設定が有効です。ログファイルやポート状態を確認しながら、再現性のある手順で対処することで、初心者でも安定した起動環境を構築できます。

